この記事の結論
- eSIMは物理カード不要のデジタルSIMで、対応端末ならオンライン契約後すぐに開通できる
- iPhoneはXS/XR以降、PixelはPixel 4以降が対応するが、対応の有無は事業者・機種の組み合わせ次第
- 機種変更や紛失時は再発行手続きが必要で、事業者によっては手数料が発生する場合がある
eSIMとは?物理SIMとの違い
eSIM(イーシム)は、スマートフォンなどの端末にあらかじめ内蔵されたチップに、インターネット経由で契約情報を書き込んで利用するデジタル形式のSIMを指す。物理的なSIMカードを端末に挿し替える必要がなく、対応端末であればオンラインで契約した直後にプロファイルをダウンロードするだけで通信を開始できる(IIJmio公式、2026年7月時点)。従来の物理SIMは、契約後にカードが郵送または店頭で渡され、端末に差し替えてから開通する流れになる。
総務省は2021年8月、事業者間の乗り換えを円滑にし利用者の利便性を高める目的で「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」を公表し、携帯電話事業者(MNO)に対してeSIMの速やかな導入を、MVNOに対してもeSIM提供に必要な機能開放を促してきた経緯がある(総務省公表資料、2021年8月時点)。
eSIMに対応する端末・通信事業者
iPhoneはiPhone XS・iPhone XR以降の機種でeSIMに対応し、iPhone 13以降は物理SIMとeSIM、またはeSIM同士を組み合わせたデュアルSIM運用が可能とされている(Apple公式サポート、2026年7月時点)。さらに、日本国内で販売されるiPhone 17・iPhone Air・iPhone 17 Pro・iPhone 17 Pro Maxは物理SIMカードトレイを廃止し、eSIM専用モデルとなっている(Apple公式「iPhone 17 - 技術仕様」、2026年7月時点)。機種変更でこれらのモデルを選ぶ場合、物理SIMの利用自体ができない点に注意が必要である。
Androidは、Google PixelがPixel 4以降でeSIMに対応し、Pixel 7以降では2つのeSIMプロファイルを同時に有効化できる(Google Pixelヘルプ、2026年7月時点)。Pixel以外のAndroid端末も対応が広がっているが、機種ごとに対応状況が異なるため、契約前にメーカーおよび回線事業者の公式ページで確認する必要がある。
通信事業者側では、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルといった大手キャリアに加え、ahamo・povo・UQ mobile・LINEMOなどのオンライン専用ブランド、IIJmioをはじめとする格安SIM事業者の多くがeSIMを提供している(IIJmio公式、2026年7月時点)。ただし発行手数料の有無や再発行の条件は事業者ごとに異なるため、個別の確認が欠かせない。
eSIMと物理SIMの比較
開通までの流れ・機種変更時・紛失時・デュアルSIM対応という4つの観点で、編集部にてeSIMと物理SIMの違いを整理した。
| 比較項目 | eSIM | 物理SIM |
|---|---|---|
| 開通までの流れ | オンライン契約後、QRコードやアプリでプロファイルを端末にダウンロードして開通する(注1) | 契約後にSIMカードが郵送・店頭渡しされ、端末への差し替え後に開通する |
| 機種変更時 | 新しい端末で回線事業者のマイページ等からeSIMの再発行(プロファイルの再ダウンロード)手続きが必要になる | サイズが合えばSIMカードを新しい端末に挿し替えるだけで完了する場合が多い |
| 紛失時 | 端末の紛失時はeSIMも端末とともに利用できなくなるため、事業者への連絡と本人確認のうえで再発行手続きが必要 | カード単体の抜き取りは物理的に容易ではないが、端末紛失時は同様に再発行手続きが必要になる |
| デュアルSIM対応 | 対応端末であれば、物理SIM+eSIM、または2枚のeSIMを同時に利用できる場合がある(注2) | 物理SIMスロットを複数搭載する端末、またはeSIM併用に対応した端末でのみ2回線同時利用が可能 |
(注1)開通のタイミングや所要時間は事業者・審査状況によって異なる(IIJmio公式、2026年7月時点)。 (注2)デュアルSIM・デュアルeSIMの対応可否は端末の機種・世代によって異なる(Apple公式サポート/Google Pixelヘルプ、2026年7月時点)。
eSIMへの切り替え手順
新規契約・電話番号を変えない乗り換え(MNP)・同一事業者内での機種変更のいずれの場合も、大まかな流れは以下のとおりとなる。
- 契約予定の端末と回線事業者がeSIMに対応しているか、公式ページで組み合わせを確認する
- 事業者の公式サイトまたはアプリから申し込む。電話番号を変えずに事業者を乗り換える場合、2023年5月から「MNPワンストップ方式」が順次導入されており、対応事業者の組み合わせであれば乗り換え元でのMNP予約番号取得なしに、乗り換え先への申し込みだけで手続きが進められる(総務省 携帯電話ポータルサイト、2023年5月時点)
- オンラインでの本人確認(eKYC等)を行う
- 発行されたQRコードの読み取り、またはキャリア公式アプリの案内に沿ってeSIMプロファイルをダウンロードする
- 端末側の設定画面で開通・回線切り替えを確認する
いずれの手順も、プロファイルのダウンロードにはインターネット接続(Wi-Fiまたは別回線のモバイルデータ通信)が必要になる点に留意する。
eSIM利用時の注意点
機種変更のたびにeSIMの再発行手続きが必要になる点は、物理SIMの差し替えに慣れている場合に見落としやすい。たとえばahamoでは、オンラインでのSIMカード再発行手数料が1,100円(税込)である一方、eSIMの発行・再発行手数料はキャンペーンにより無料とされている(ahamo公式よくある質問、2026年6月時点)。ドコモショップ等の店舗窓口では、システム障害以外の理由(端末の紛失・故障、確認コード不明など)による再発行に4,950円(税込)の手数料がかかる場合もある(同時点)。手数料の有無・金額は事業者や手続き方法によって異なるため、契約前後で各社公式の最新情報を確認する必要がある。
このほか、対応端末であっても事業者によっては動作確認の対象外となっている組み合わせがあること、プロファイルのダウンロード環境(通信・電源)を事前に用意しておく必要があることも、切り替え前に確認しておきたい点である。
よくある質問
Q. eSIMと物理SIM、どちらを選ぶべきですか?
利用中の端末がeSIMに対応しているか、また乗り換え・機種変更の頻度によって適した選択は変わる。即日の開通やデュアルSIM運用を重視するならeSIM、機種を頻繁に貸し借り・共有する場合は物理SIMの差し替えのしやすさが利点になる場合もあり、どちらが優れているかを一律に断定できるものではない。
Q. eSIM対応かどうかはどこで確認できますか?
端末メーカーの公式サポートページ(Apple・Googleなど)で対応機種を確認したうえで、契約予定の通信事業者の公式サイトでも対応機種一覧が公開されているため、両方を確認する必要がある(Apple公式サポート/Google Pixelヘルプ、2026年7月時点)。
Q. 機種変更をしたら、eSIMは自動的に引き継がれますか?
自動的には引き継がれない。新しい端末で回線事業者のマイページやアプリからeSIMの再発行(プロファイルの再ダウンロード)手続きを行う必要がある。
料金プランごとの月額料金や通信速度の比較は、格安SIM・キャリア比較をあわせて確認されたい。