この記事の結論

  • 格安SIM(MVNO)は大手の回線を借りて安く提供する仕組み。
  • 昼休み・通勤・夜間は回線混雑でデータ通信速度が低下する場合がある。
  • 乗換え前は違約金・端末残債・SIMロック解除・セット割喪失を確認する。

格安SIM(MVNO)とは? 大手回線を借りる仕組み

格安SIM・格安スマホは、一般に「MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)」と呼ばれる事業者のサービスを指す。総務省は格安SIMについて「通信設備を持つ会社から、ネットワークを借りて携帯電話サービスを提供しているMVNOと呼ばれる事業者のサービスを指すことが一般的です」と説明している(総務省 携帯電話ポータルサイト、2026年7月時点で編集部が確認)。

一方、NTTドコモ・au(KDDI)・ソフトバンク・楽天モバイルは自社で基地局などの通信設備を保有する「MNO(Mobile Network Operator)」であり、MVNOはこのMNOから回線設備の一部を借りて事業を行っている。基地局の維持コストがかからず、実店舗を持たない、または少数にとどめることで人件費・店舗費用を抑えられる点が、MVNOの料金が安くなりやすい理由とされる。

格安SIMの主なデメリット・注意点

総務省の説明および乗換え手続き上の注意点をもとに、編集部が確認できたデメリット・注意点は次のとおり。

  • 混雑時間帯の速度低下: 総務省は「通信エリアは大手と同じですが、ネットワークの一部を借りているため、お昼休みや通勤時間帯、夜間等、通信が混み合う時間ではデータ通信速度が低下する場合もあります」と説明している(総務省 携帯電話ポータルサイト、2026年7月時点確認)。エリア自体は大手と変わらない一方、速度は時間帯によって変動しうる点に注意したい。
  • 店舗が少なくオンライン対応が中心: MVNOは実店舗を持たない、または店舗数が少ない事業者が多く、契約・サポートはオンライン中心になりやすい(同ページ)。故障・トラブル時に対面で相談したい場合は、対応可否を契約前に確認しておく必要がある。
  • 決済サービス・ポイントの引き継ぎ不可: 乗換え時の一般的な注意点として、総務省は「乗換え元の回線契約に紐づく『携帯料金との合算払い』等は利用できなくなります」としている(総務省 携帯電話ポータルサイト「乗換えのチェックポイントは?」、2026年7月時点確認)。
  • セット割引の喪失: 固定回線や家族の通信契約とセットで割引を受けている場合、乗換えによって割引条件が外れ、それぞれの料金が上がる可能性がある(同ページ)。
  • 端末代金の分割払いは乗換え後も継続: スマートフォンなどの端末代金を分割払いにしている場合、支払いが終わるまでは乗換え後も毎月の請求が続く(同ページ)。

MNO本体プラン/オンライン専用プラン/MVNOの3類型比較【編集部整理】

総務省は携帯ブランドを「通信設備を自社で持つか(MNO)/借りるか(MVNO)」と「対面サポートの有無」の2軸で整理しており、ahamo・povo・LINEMOのようなオンライン専用プランはMNO自身が提供するプランに、イオンモバイル・mineo・IIJmio・BIGLOBEモバイルなどはMVNOブランドに分類されている(総務省 携帯電話ポータルサイト「携帯ブランドはこんなにある!」、2026年7月時点確認)。この分類をもとに、編集部で3類型に整理し直したものが次の比較表である。

分類 主な例 回線の持ち方 サポート 料金帯の傾向 向く人
MNO本体プラン ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの通常プラン 自社設備(MNO) 実店舗での対面サポートあり 大容量帯が中心で高めになりやすい(数値は各社公式サイトで要確認) 対面サポートを重視する人
オンライン専用プラン ahamo・povo・LINEMOなど MNO自身が自社設備で提供 オンライン手続き中心、対面サポートは基本なし MNO本体より抑えめとされることが多い(数値は各社公式サイトで要確認) 手続きはオンラインでよく、価格も抑えたい人
MVNO(格安SIM) イオンモバイル・mineo(対面店舗あり型)、IIJmio・BIGLOBEモバイル(オンライン中心型) 大手(MNO)から回線の一部を借りる 多くはオンライン中心。一部は対面店舗もあり 3GB以下で月額1,000円以下のプランも存在(総務省、2026年7月時点確認) データ利用量が少なめで月額料金を抑えたい人

※「回線の持ち方」「サポート」の分類は総務省の整理に基づく事実。ただし「料金帯の傾向」欄のうちMNO本体・オンライン専用プランの高低比較は、公式サイトの一般的な価格帯感を踏まえた編集部の推定であり、特定時点の数値根拠があるものではない。実際の料金は必ず各社公式サイトで最新情報を確認してほしい。

乗り換え前に確認しておきたいポイント

総務省「乗換えのチェックポイント」およびSIMロックに関する説明をもとに、契約前に確認しておきたい点を整理する(総務省 携帯電話ポータルサイト、2026年7月時点確認)。

  1. 違約金・解約金: 定期契約プランや最低利用期間のあるプランは、解約タイミングによって違約金が発生する場合がある。2019年10月以降に登場した新規プランは違約金の上限が1,100円とされている。
  2. セット割の喪失: 固定回線や家族の契約とのセット割を利用している場合、乗換え後に割引が外れて料金が上がる可能性がある。
  3. 端末代金の残債: 分割払いが残っている場合、支払いが終わるまで乗換え後も請求が続く。
  4. SIMロックの解除: 今使っている端末を乗換え先でも使う場合はSIMロックの解除が必要になることがある。2021年10月以降に発売されたスマートフォンは原則SIMロックが禁止されているが、それ以前に発売された機種は販売が継続されている場合があり、自分の端末の状態を各社サイトで確認する必要がある。解除手続きはウェブなら無料だが、電話・店舗では3,300円程度の手数料がかかる場合がある(2026年7月時点確認)。
  5. 決済サービス・ポイントの引き継ぎ: 携帯料金との合算払いなど、乗換え元の回線契約に紐づくサービスは乗換え後に利用できなくなる。

なお、電話番号を変えずに事業者を変更できる制度がMNP(番号ポータビリティ)であり、2023年5月24日からは新規契約先のサイトで手続きが完結する「ワンストップ方式」が始まっている(総務省「携帯電話・PHSの番号ポータビリティ(MNP)」、2026年7月時点確認)。

よくある質問

格安SIMは本当に通信速度が遅いの?

総務省は、格安SIM(MVNO)について「通信エリアは大手と同じですが、ネットワークの一部を借りているため、お昼休みや通勤時間帯、夜間等、通信が混み合う時間ではデータ通信速度が低下する場合もあります」と説明している(総務省 携帯電話ポータルサイト、2026年7月時点確認)。つながるエリア自体は大手と変わらないが、混雑する時間帯は速度が変動しうる点を踏まえて選ぶ必要がある。

オンライン専用プラン(ahamo・LINEMOなど)は格安SIMと同じもの?

総務省の分類では、ahamo・povo・LINEMOのようなオンライン専用プランは、大手キャリア(MNO)自身が自社の設備で提供するプランとされている。一方、格安SIM(MVNO)は大手から回線の一部を借りて提供する事業者のサービスであり、仕組みは異なる(総務省 携帯電話ポータルサイト「携帯ブランドはこんなにある!」、2026年7月時点確認)。

格安SIMに乗り換えても今の電話番号は使える?SIMロックはどうなる?

電話番号を変えずに事業者を変更できる制度がMNPであり、2023年5月24日開始の「ワンストップ方式」により、乗換え先の手続きだけで完了できるようになっている(総務省「携帯電話・PHSの番号ポータビリティ(MNP)」、2026年7月時点確認)。ただし、今使っている端末を引き続き使う場合はSIMロックの解除が必要になることがあるため、乗換え前に自分の端末の状態を確認しておきたい(総務省 携帯電話ポータルサイト、2026年7月時点確認)。


格安SIM各社の料金・回線タイプをまとめて比較したい方は、格安SIM比較ページもあわせて確認してほしい。